【シリーズおもてなし実践Vol.1】事業者様インタビュー

「一口目の表情を見逃さない」

〜神⼾⽜ダイア浅草楽天地店が届ける 観察から始まるおもてなし〜


 東京都、浅草。国内外問わず、⽇々多く旅⾏者さんが観光を楽しまれている⽇本の代表的な⽂化の発信地の一つでもあります。その浅草のシンボルの一つでもある、「雷門」から歩いて約 8 分の場所にある「神⼾⽜ダイヤ 浅草楽天地店」。店内には、料理⼈が⽬の前で神⼾⽜を仕上げる鉄板カウンターをはじめ、テーブル席や開放的なテラス席が設けられています。訪れるお客様の約 9 割は海外からの旅⾏者さん。

 ⾔葉や⽂化、⾷習慣が異なるお客様⼀⼈ひとりと向き合いながら、料理だけではなく、浅草で過ごす時間、体験そのものを楽しんでもらうことを⼤切にされているお店です。今回は、同店で鉄板焼きの提供やスタッフ育成に携わるスタッフの⽅に、鉄板焼きの魅⼒や海外のお客様との関わり、⽇々実践しているおもてなしについて伺いました。

神戸牛ダイア浅草楽天地店様のWebページは→こちら


外⾷事業 事業責任者 和賀勇⽣さんインタビュー(神⼾⽜ダイア浅草楽天地店)

◼️お店にについて教えてください!

神⼾牛ダイヤ浅草楽天地店は、浅草の雷⾨から歩いて

8 分ほどの場所にあります。

店内には鉄板カウンターとレストランタイプのテーブル席、

そして、外で⾷事を楽しめるテラス席もあります。

すべて合わせると、約 75 席のお店です。

テラス席では、神⼾⽜のお寿司とビールを

⼀緒に楽しむお客様も多いですね。

開放感があり、スカイツリーも⾒えるので、

浅草らしい雰囲気を感じながら⾷事をしていただけます。

先⽇の7月25日(土)にありました、隅⽥川花⽕⼤会では

第 1 会場と第 2 会場の両⽅の花⽕が見えました。

花⽕の時間だけでも多くのお客様が来店され、

テラス席はまさに特等席のような雰囲気を味わえるリッチな内観です。


◼️鉄板焼きステーキとのことですが、鉄板焼きならではの魅力を教えてください。

⼀番の魅⼒は、料理をお客様の⽬の前で仕上げ

られることだと思います。

焼き加減や塩加減はもちろん、お⼦様と⼤⼈の⽅では、

お⾁のカットの⼤きさも変わります。

お客様が⾷べている様⼦を⾒ながら、

「もう少し⼩さく切ったほうが⾷べやすいかな」

「この⽅には、少し塩を控えめにしたほうがいいかな」

と考え、その場でお客様にご希望に合わせて調整できます。

決められた料理を同じように提供するのではなく、

⽬の前のお客様に合わせてカスタマイズできる。

それが、鉄板焼きの⼤きな魅⼒だと思っています。


◼️来店されるお客様はどのような方が多いですか。

浅草という⼟地柄もあり、海外からのお客様が多いです。

全体の約 9 割が海外のお客様で、

残りの 1 割ほどが国内のお客様です。

⽇本⼈のお客様では、観光で来られた⽅のほか、

地元の⽅にもご利⽤いただいています。


◼️海外のお客様を接客する中で、やりがいを教えてください。

料理を提供して、お客様が⼀⼝⽬を⾷べた瞬間ですね。

ステーキを⼝に⼊れたときに、表情が

パッ!

と変わったり、

「わあ!」

というリアクションをしてくださったりします。

話す⾔葉は違っても、おいしいものを⾷べたときの表情や

反応は世界共通です。

その表情を⾒た瞬間に、⼼の中で

「よっしゃ!」と思います。

鉄板の前に⽴っていて、⼀番うれしい瞬間です。


◼️海外の方をもてなす上で難しいと感じる部分も教えてください。

やはり、⾔語と⽂化の違いです。

お客様も全員が英語を話せるわけではありませんし、

私たちも完璧にすべての⾔葉を話せるわけではありません。

⾔葉だけで伝えるのが難しいときには、

ジェスチャーを使いながらコミュニケーションを取っています。

また、⾷⽂化の違いを感じることもあります。

例えば、⽇本ではスープやお吸い物をお椀に⼊れて提供し、

器を⼿に持って飲むことがあります。

しかし、ヨーロッパなどから来られたお客様の中には、

スプーンを使って飲むことが当たり前だと感じている⽅もいます。

もちろん、必要であればスプーンをご⽤意します。

ただ、同時に

「⽇本では、器を⼿に持ってこのように飲む⽂化があります」

とお伝えすることもあります。

そうすると、

「それなら⽇本のスタイルで飲んでみます」

と、スプーンを使わずに挑戦してくださる⽅もいます。

⼀⽅的に⽇本の⽅法を押しつけるのではなく、

お客様の⽂化を尊重しながら、⽇本の⾷⽂化も伝えていく。

そのバランスが⼤切だと感じています。

最近では、「いただきます」という⽇本語を覚え、

⾷事の前に⼿を合わせてくださる海外のお客様も増えてきました。

⽇本での⾷事を楽しもうとしてくださる姿を⾒ると、とても嬉しく感じます。


◼️お店で実践しているおもてなしを教えてください。

海外のお客様とお話ししていると、

浅草周辺のおすすめの場所を聞かれることがよくあります。

観光地だけでなく、

「おすすめのバーはありますか」

「おいしいお寿司のお店はありますか」

「ラーメンや天ぷらを⾷べるなら、どこがいいですか」

「⽇本の包丁を買いたいのですが、おすすめのお店はありますか」

といった質問もいただきます。

そこで、観光スポットやバー、スイーツ、お寿司、天ぷら、ラーメン、包丁を

購⼊できるお店などをまとめた、オリジナルのおすすめリストを作成しています。

スタッフ全員で情報を共有しているため、誰が質問を受けても、

お客様におすすめをご案内できるようにしています。

私たちのお店で⾷事をしていただく時間だけではなく、

その後の浅草観光も含めて楽しい思い出にしていただきたい。

そのような気持ちでご案内しています。


◼️当法人の「おもてなし英語レッスン」にも参加いただいておりますが、実際の接客では何か変化がございましたか。

レッスンで学んだ⾔葉を、そのままお店で使うようになりました。

例えば、お客様をご案内するときの

「This way, please.」

という表現です。

以前は

「Here」や「Over there」

のような短い⾔葉で場所を⽰すことが多かったのですが、

レッスンを受けてからは「This way, please.」と、

丁寧にご案内するようになりました。

学んだ表現をすぐに実践できる環境なので、

少しずつですが、接客に対する⾃信にもつながっています。


◼️スタッフをトレーニングしていく上で、大切にしているポイントはありますか。

仕事のやり⽅を教えるだけではなく、

その理由まで伝えることです。

例えば、ステーキを焼くときには、

表⾯にしっかりと焼き⽬をつけます。

ただ「焼き⽬をつけてください」と教えるのではなく、

「焼き⽬をつけることでメイラード反応

が起こり、⾹りや⾵味が良くなる」

という理由まで説明いたします。

接客についても同じです。

例えば、フランベ(ステーキを焼いている鉄板の上に、

度数の⾼いお酒を振りかけ、⽕柱を上げる LIVE 感溢れる調理法)

を始める前には、お客様に⼀声かけ、

写真や動画を撮る準備ができているかを確認します。

ただ決められた⾔葉を伝えるのではなく、

「お客様が⼤切な瞬間を⾒逃さず、思い出と

して残せるようにするため」と、

その⾏動の意味まで伝えています。

鉄板焼きでは、お客様の注⽂内容や⾷事の進み具合、

その場の状況に合わせて判断する対応⼒が必要です。

やり⽅だけを覚えていると、想定外の場⾯に対応できません。

しかし、理由まで説明していれば、状況が変わっても⾃分で考えて

⾏動できるようになるため、

そのようなポイントを⼤切にしています。


◼️楽天地店の皆様の’強み’も教えてください!

少し地味に聞こえるかもしれませんが、

私たちはお客様をとてもよく観察していると思います。

例えば、お客様の飲み物の飲み⽅⼀つでも、

その後の⾏動を予測できます。

少しずつゆっくり飲んでいるのか、最初に勢いよく飲んでいるのか。

それによって、おかわりを希望されるタイミングも変わります。

お客様が今何を求めているのか、喉が渇いていないか、

⾷事のペースはどうか、何か困っていることはないか。

そうしたことを観察しながら、お客様から「お⽔をください」と

⾔われる前に、こちらからお⽔をお持ちするようにしています。

お客様に⾔われてから動くのではなく、⾔葉にされる前に気づき、

こちらから⾏動する。

それが、私たちが⼤切にしているおもてなしです。


◼️お店づくりで意識している事はありますか。

スタッフによって、気づくポイントが違うこと

そして、それをみんなでシェアし合うこと

チームの強みになっており、大切にしているポイントだと思います。

私は料理の盛り付けや⾒た⽬が気になることが多く、

細かい部分まで確認します。

⼀⽅で、別のスタッフは、私以上にお客様の様⼦を細かく⾒ています。

「次は、あちらのお客様への対応が必要ではないか」

「もう少し早くお声がけしたほうがいいのではないか」

と教えてもらうこともあります。

それぞれ⾒ている場所や気づくポイントが違うからこそ、

お互いに伝え合うことで、⾃分⼀⼈では気づけなかったことに気づけます。

お互いの考えを⾔い合い、学び合える関係があることで、

チーム全体の接客や料理の質が⾼まっていると感じています。


◼️最後に、お店を利用したことがない方に向けて一言、お願いいたします。

神⼾牛というと、少しかしこまった⾼級店を

イメージされる⽅もいらっしゃると思います。

私たちのお店は、もちろん料理やサービスの質を

⼤切にしていますが、堅苦しい雰囲気ではありません。

お客様とスタッフが会話を楽しみながら、

明るく、少しにぎやかな雰囲気の中で

神⼾⽜を味わっていただけるお店です。

ご家族やご友⼈、⼤切な⽅と⼀緒に、浅草の景⾊と

神⼾⽜ステーキを楽しんでいただけたらうれしいです。

ぜひ、お気軽にお越しください。


☆インタビューを終えて・・・

今回のお話で特に印象に残ったのは、「お客様を観察し、⾔葉にされる前に⾏動する」というスタッフ皆さんの姿勢でした。お⾁の焼き加減やカットの⼤きさを⼀⼈ひとりに合わせること。飲み物の減り⽅から、次に必要なことを予測すること。⾷事の後に楽しめる浅草の観光情報まで準備しておくこと。そこには、決められたサービスを提供するだけではなく、⽬の前のお客様を知った上でご提案し、楽しんでもらおう!という、姿勢があります。

また、スタッフそれぞれが異なる視点を持ち、気づいたことを伝え合う関係性も、お店のおもてなしを⽀えています。⼀⼈の優れた接客だけで終わらせず、互いの気づきを共有し、チーム全体でサービスの質を⾼めていく・・・。和賀さんの率いるチームの神⼾⽜ダイア 浅草楽天地店には、料理のおいしさとともに、お客様⼀⼈ひとりの時間をより良いものにしようとする、温かなホスピタリティがあったと感じております。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

(取材:橋本 峻)

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