皆様の事業所では、お客様のお声をどの様な形で伺っておりますでしょうか。
・ご利用いただいた後のアンケート
・Web上での口コミ投稿
・SNSでの拡散 などなど、
「お客様には、満足していただけているはず」
サービスを提供する側は、そう信じたいものです。
しかし、お客様が感じた満足や感動体験、またはその逆の、不満や違和感。すべてが、
上記の投稿や、スタッフさんなどに伝えられるわけではありません。
満足したお客様も、不満を感じたお客様も、何も言わずに帰られることがあります。
そこでお客様の心の本当のお声を可視化するのに役立つのが、
覆面調査(ミステリーショッピングリサーチ)です。
覆面調査は外食産業、小売販売店、カーディーラー、宿泊施設、観光施設
など、接客やサービスを提供する幅広い施設で実施されております。
記事を書いている私も、外食産業や、サービス業で
お仕事をしている時代には、調査を受けている側でした・・・
覆面調査は、それぞれの業種や店舗の特徴に合わせて調査項目を設計し、
普段は見えにくいお客様の体験や感情を確認する有効な手段の一つ!
ということをご紹介致します☆
覆面調査とは
覆面調査とは、調査員が一般のお客様として店舗や施設を利用し、
接客やサービス、施設環境などを確認する調査方法です。

「覆面調査」と聞くと、事業所やスタッフの粗探しをして点数をつけられる!
という様なイメージを持っていらっしゃる方もいるかもしれません。
それは使い方が、全く違います。
本来の使いかなどを踏まえて、ご紹介させていただければと思います。
業種によって違う、お客様が重視するポイントとは?
例えば、
◼️飲食店様では
入店時の挨拶、料理の提供時間、お料理内容、スタッフ笑顔や対応、気配り、
場所の清潔感などがポイントになることが多いです。
◼️小売販売店様では
商品の探しやすさ、スタッフの声かけ、商品説明の分かりやすさなど
◼️カーディーラー様では
来店時のお出迎え、待ち時間への配慮、サービス内容、専門的な説明の分かりやすさ
◼️宿泊施設様や観光施設様では
予約から受付、案内、滞在中の対応、お見送りまで、
それぞれ見るポイントはまだまだあると思います。
覆面調査では、一連の顧客体験を調査することができます。
そのほか、サービスを提供するさまざまな店舗や施設でも、目的に応じた調査が可能です。
共通して確認できるのは、次のような項目です。
①来店時に歓迎されていると感じたか
②スタッフの表情や挨拶は自然だったか
③商品やサービスの説明は分かりやすかったか
④困っているときに声をかけてもらえたか
⑤施設内を安心して利用できたか(待合室やトイレなど)
⑥また利用したいと思ったか(誰かに教えてあげたい!と思ったか。なども含みます。)
覆面調査の特徴は、単に「挨拶ができていたか」を確認するだけではなく、
その対応を受けたお客様が、どのように感じたかまで把握できることです。
顧客満足度を数字と感情の両面から見る
覆面調査では、接客やサービスの状態が点数や評価として示されます。
数字によって現状を把握することは大切ですが、点数だけでは改善につながらないこともあります。
例えば、スタッフが挨拶をしていても、目線が合っていなければ、
お客様は歓迎されていると感じないかもしれません。
反対に、マニュアルには書かれていない、さりげない声かけや気遣いが、
お客様の心に強く残ることもあります。
大切なのは、
「なぜ、お客様はそう感じたのか」
を考えることです。
覆面調査は、サービスの行動だけでなく、その先にあるお客様の感情を可視化する方法でもあります。

改善点だけでなく、現場の強みも見つける
覆面調査に対して、「事業所や、スタッフのできていないところを探す調査」
という印象を持つ方もいるかもしれません。
しかし、本来の目的は事業所やスタッフの粗探しや、できていないポイントを
探すことではありません・・・。
☆忙しい中でも笑顔で対応していた
☆お客様の迷っている様子に気づいた
☆専門用語を分かりやすく言い換えた
☆スタッフ同士で自然に連携していた
☆担当外でも自分ごととして対応した
こうした良い行動は、日常の中では当たり前になり、社内では気づかれにくい
ポイントを第三者であるお客様の視点から評価されることで、
スタッフが「自分の行動がお客様に届いていた」と実感してもらうこと
にあります。
良い行動を可視化して共有することは、スタッフの自信を育てるだけでなく、
自社らしいサービスを組織全体に広げることにもつながります。
調査は、実施した後が大切
覆面調査は、レポートを受け取って終わりではありません。
点数だけを発表し、「次回はもっと頑張りましょう」と伝えると、
スタッフにとって調査が監視や評価のように感じられる可能性があります。
私が新任の店長だった時も、点数ばかりを気にしてしまい
6月は「127点/200点」だった。次はもっと点数を取れる様に頑張ろう!
7月は「188点/200点」だった!みんなでよく頑張ったね!
と、点数を中心に話をしてしまった結果、点数にしか興味を持たず、
点数が低い=悪い
点数が高い=良い
といった印象をスタッフに広げてしまっていたことに後から気づきました。
本来であれば、点数が低かったということは。
・改善できるポイントがいっぱいある
・点数が低い中でも評価されているポイントは何か?
点数が高い ということは
・具体的に何が理由で高かったのか?(ヒト?商品?価格帯?サービス内容?)
・評価されているポイントは仕組みなのか、属人化しているポイントなのか。
・継続するためにはどうしていけば良いのか。
を見つける大きなキッカケを点数が低い・点数が高いというだけで
見過ごしていたのです。

調査結果を有効に活用するためには、次の流れが大切です。
1.実際に起きたことを確認する
調査が入った当時の状況や人員配置、情報共有なども含めて振り返る。
2.お客様の気持ちを考える
当日の対応によって、お客様は安心したのか、不安になったのかを考える。
3.良かった行動を共有する
評価された対応を共有し、個人の良い行動を組織全体の学びに変える。
4.次に実践する行動を決める
「お客様が来店したら、一度手を止めて顔を見る」など、現場で実践できる具体的な行動を決める。
覆面調査から、ホスピタリティの醸成へ
顧客満足度は、お客様がサービスをどのように評価したかを示すものです。
一方、ホスピタリティとは、決められた接客を正確に行うことだけではありません。
目の前のお客様の状況や気持ちを想像し、その方に必要な行動を自ら考えることです。
(※その行動を起こすためには、組織の理念浸透と権限委譲という2つのキーワードが出てくるのですがこちらはまた次の機会ご紹介致します☆)
覆面調査によって、
- お客様がどこで安心したのか
- どこで不安や不便を感じたのか
- どの気遣いが心に残ったのか
- 何が再利用したい気持ちにつながったのか
を知ることができます。
その内容をスタッフ同士で話し合い、実際の行動に移すことで、「お客様を見る視点」が組織の中に育っていきます。
これは飲食店、小売販売店、カーディーラー、宿泊施設、観光施設など、業種が異なっても共通して大切な視点です。
覆面調査は、スタッフに正解を押しつけるためのものではありません。
お客様の声を手がかりに、一人ひとりが考え、気づき、行動するための教材なのです。
お客様の声を、組織の成長につなげる
2度目になりますが、覆面調査で本当に大切なのは、点数の高低ではありません。
調査結果を粗探しの材料とするのではなく、現場の強みを見つけ、
より良いサービスを考えるための対話の材料として活用することです。
可視化する。
対話する。
実践する。
振り返る。
この循環をつくることで、お客様の気持ちを想像する力が、少しずつ組織に根づいていきます。
覆面調査を、顧客満足度の確認だけでなく、
ホスピタリティを育てる第一歩として活用してみてはいかがでしょうか。

覆面調査・従業員意識調査・ホスピタリティ研修のご相談
ホスピタリティCCでは、接客やサービスを提供する幅広い
店舗・施設を対象に覆面調査を実施しています。
それぞれの業種、施設、サービスの特徴に合わせて
調査内容を設計し、顧客体験を可視化します。
また、覆面調査だけでなく、従業員調査、現場ヒアリング、
調査結果に基づいたMTGのサポートや研修まで、一貫した支援を行っています。
調査して終わるのではなく、現場の皆様と一緒に結果を読み解く力をつけながら、
強み生かし、さらなる強みを醸成しつつ具体的な改善行動へつなげます。
「自社のサービスをお客様の視点から確認したい」
「調査結果をスタッフ育成に活用したい」
「顧客満足度と従業員満足度を高めたい」
そのようなお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください☆
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。