「効率化」の先にある冷たさ

― 人とひととの温かみを残すために ―

仕事を効率化しよう!

マニュアルを整えて誰でもわかるように。

システムを導入して便利に!

できるだけ無駄をなくし、

少ない人数でも仕事が回るようにする・・・

人手不足が続く今、

どの業界でも

「効率化」

は欠かせないテーマの一つに

なっていると思います。

もちろん、効率化が悪いわけではなく、

これからの組織には

必要不可欠な取り組みだと思っております。

ただ、その一方で、少し私自身が感じていて

考えてみたいなと思うことがあります。

それは、

効率化することで、人が人を見る時間

まで減らしてしまっているのでは?

ということです。

これは、お客様との関係だけではなく、

同じ職場で働く仲間同士の関係にも、

同じことが起きているように感じることがあります。


「正しく仕事をする」=良いサービス?

例えば、私は外食産業出身なので

飲食店で考えてみます。

お客様を席までご案内する。

メニューをご案内し、注文を受ける。

お料理を提供する。

食事を終えたら、お会計をする。

お見送りをする。

すべて決められた手順通りにできていれば、

業務としてはバッチリです。

しかし、料理をほとんど食べていない

お客様が何度も

時計を見ていたらどうでしょう。

「料理を提供する」

という仕事だけを見ていれば、

スタッフの業務は完了していると思います。

でも、目の前のお客様を見ていれば、

「急いでいるのかな」

「料理がお口に合わなかったのかな」

「何かお困りごとがあるのかな」

という小さな疑問が生まれます。

その“気づき”から、

「お急ぎですか?」

「何かお気づきの点がございましたらお声がけくださいませ」

「何かお困りごとはございませんか」

と、その状況に合わせた

声をかけることができるかもしれません。

ここには、マニュアルだけでは

表現しきれない仕事があります。


組織の中でも、同じことが起きている?

この話は接客だけではありません。

例えば、いつも元気なスタッフが

今日はあまり話さない。

普段はすぐに報告してくれる後輩が、

最近少し相談をためらっている。

会議でいつも発言する人が、

今日はずっと黙っている。

忙しそうな同僚が、

一人でたくさんの仕事を抱えている。

これらもすべて、

「相手を見る」ことで初めて気づける

部分もあるのではないでしょうか。

業務だけを見ていれば、

「仕事は終わっているから問題ない」

となるかもしれません。

しかし、相手を見ていれば、

「何かあったのかな」

という感覚が生まれます。

そして、

「何か手伝えるかな?」

「最近どう?」

「少し話しますか?」

そんな一言につながることがあります。

これもまた、組織の中にある

ホスピタリティではないでしょうか。


マニュアルには「正解」は書けても、「相手」は書けない

マニュアルや業務ルールは大切です。

誰が担当しても一定の

品質を保つことができ、

新しいスタッフにも仕事を

教えやすくなります。

組織にとって必要なものですし、

安心感も出てきます。

しかし、マニュアルには限界もあります。

そこには、

「目の前の人が今、何を感じているのか」

までは書くことができません。

お客様が急いでいる。

新人スタッフが質問することを

怖がっている。

後輩が失敗を報告する

タイミングを迷っている。

同僚が忙しそうだけれど、

「大丈夫です」と言っている。

こうした状況には、

正解があるわけではありません。

だからこそ、

相手を見る。

変化に気づく。

相手の立場を想像する。

そして、自分にできることを考える。

そうした人間らしい温かみのある

判断が必要になります。


効率化によって消える「余白」の意味

仕事を改善するときに、私たちは、

「どうすればもっと早くでるようになるか」

「無駄をどのようになくせるか」

「ミスを減らし、正確にできるか」

を考えます。

少数精鋭で動く職場ほど

とても大切なポイントの一つだと思います。

しかし、効率化によって生まれた時間を、

皆さんはどのように使っていますでしょうか。

さらに効率化、便利にするために。

と、別の業務で埋め続けて

しまう場合はありませんか。

その場合、スタッフは結局

忙しいままです。

お客様を見る時間を忘れてしまい

「呼ばれたり、聞かれたら応えればいいか」

後輩と話す時間もない。

同僚の変化に気づく余裕もない。

「何かあったら話してくるだろう」

会議も「報告するだけ」で終わる。

気がつけば、

人と働いているのに、

相手を見る時間も効率化していませんか。

そんなことをよく感じています。

効率化によって生まれた時間を、

人に対して使えたら

どのような変化があるか。

想像してみると面白いかもしれません。


「考えなくてもいい職場」

マニュアルやルールを細かくすれば、

スタッフは迷わなくなります。

しかし、行き過ぎると、

「書いてあることだけやればいい」

という働き方になってしまうことがあります。

例えば、

「それは自分の担当ではありません」

「マニュアルに書いてないので」

「指示されていないのですけど」

と言った場面などです。

本人の意識の問題に

見えるかもしれません。

しかし、もしかすると組織そのものが、

「考えなくてもいい環境」

をつくってしまっている

可能性もあります。

本当に育てたいのは、

指示されたことを正確にこなす

人だけでしょうか。

それとも、

状況を見て、

相手を見て、

自分なりに考え、

周囲と相談しながら行動できる人でしょうか。


ホスピタリティは特定の組織に当てはめるものではない

ホスピタリティという言葉を聞くと、

ホテルや飲食店などの「接客」を

思い浮かべる方も多いと思います。

また、私自身も

「福祉関係者ですか?」

「医療関係のお仕事ですか?」

と聞かれることもあります。

ホスピタリティが必要なのは、

お客様に対してだけ。

そして特定の組織でのみ必要

ということではありません。

上司から部下へ。

部下から上司へ。

同僚同士。

部署と部署。

組織と働く人。

人と人が関わるところには、

いつもホスピタリティがあります。

例えば、

忙しそうな人に声をかける。

相手が相談しやすい伝え方を考える。

自分と違う意見でも、

まず背景を聞いてみて

理解しようと努力する。

情報を必要としている人に、

少し先回りして共有する。

新人が質問しづらそうなら、

こちらから声をかける。

こうした一つひとつの行動は、

とても小さなものです。

けれど、その積み重ねが、

「ここなら安心して働ける」

「この人には相談できる」

「このチームで頑張りたい」

という感覚につながっていきます。

そして、その感覚はやがて、

お客様へのサービスにも表れていきます。


お客様へのホスピタリティは、組織の中から生まれる

お客様には笑顔で接する。

でもスタッフ同士では

ほとんど会話がない。

お客様の気持ちは大切にする。

でも部下の気持ちは聞かない。

お客様には

「何かお困りですか?」

と声をかける。

でも、困っている同僚には気づかない。

これでは、ホスピタリティを

長く続けていくことは

難しいかもしれません。

お客様へのサービスは、

現場だけで突然生まれるものではありません。

日頃から組織の中で、

人と人がどう関わっているか。

その延長線上に、

お客様へのホスピタリティが

あるのではないでしょうか。

だからこそ、接客だけを改善するのではなく、

働く人同士の関係性や、

コミュニケーション、

育成の仕組み、

組織風土まで含めて考えることが大切です。

日々、業務を進めていく上で

効率を追い求めた結果

仕事だから、やって当然。

担当だからできて当たり前。

と、

仲間に伝える

「いつもありがとう」

などの言葉も省いて

効率化してしまっていませんか。


人にしかできない仕事を、もっと大切にできる組織へ

相手を観察し、

相手を想い、

自分にできることを考えること。

そして、

それを一人ひとりの善意だけに任せるのではなく、

組織の文化や仕組みとして

育てていくこと。

「接客をもっと良くしたい」

「社内コミュニケーションを改善したい」

「従業員が何を感じているのか知りたい」

「若手や管理職の育成について考えたい」

日々感じている、

「なんとなく、うまくいっていない」

という小さな違和感の中に、

組織をより良くするヒントが

隠れていることがあります。

そのヒントを見つけて

豊かなチームをつくっていく

お手伝いをしております☆

組織の中で、

「ありがとう」

の数を増やしてみませんか。

「自社の課題がどこにあるのか、一度整理してみたい」
と言った方も大歓迎です。

お気軽にご連絡くださいませ。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

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